ヤギャとは ヤギャとは

121名の僧侶による護摩焚き(ホーマ)に参加しました

今回は南インドのケララ州にて11日間続く護摩焚きのホーマに遭遇しました。

11あるホーマのヴェーディ(火を焚く祭壇)にそれぞれ11名の僧侶が、ギーなどを注ぎながら、毎朝4時間ほどヴェーダを唱和し続け、それが11日続きました。

3000年前から行われていたであろうヴェーダの吟誦とヤジュナの護摩焚きが2023年の今日にも続いています。 ユネスコの世界文化遺産に選ばれたのも、納得の伝統です。

その様子のビデオを撮りましたので、ご覧いただけます。

Rudra Abhishek in Trichur, Kerala

 

日本で最初に行われたヤギャは1200年後の今日も毎年1月に京都で続いています

後七日御終法僧侶入場
後七日御修法僧侶入場

今から約1200年前の西暦835年1月8日に空海は、後に後七日御修法(ごしちにみしほ)と呼ばれる護摩焚きの祈祷を天皇の健康と国の繁栄を願って、今の京都御所の宮中で始めました。 それは1月8日から7日間にわたって毎日行われます。

それから綿々と受け継がれたこの7日間の護摩焚きの御祈祷は、明治に入って京都の東寺に場所を移して、秘儀中の秘儀として今日も行われているのだそうです。

東寺のホームページには境内の案内が登場しますが、その敷地内の南西の角の建物には名称が登場しません。 小子房の南、鎮守八幡宮の西の建物です。 その建物こそが1年の中でこの7日間の護摩焚き祈祷だけに使われる灌頂院になります。

そこへ天皇陛下の身につける御衣(ぎょい)が届けられ、全国から選ばれた15人の真言宗の僧侶が1日3回、7日間で計21回の護摩焚き祈祷が行われるそうです。 その御衣に祈祷の波動が染み込むことになる訳です。

これは元々、唐の都にいたインド人僧侶アモーガヴァジュラ(不空三蔵)が唐の皇帝の為に始めたバラモンの祈祷が始まりだとか。 それを遣唐使として派遣された空海が習って帰国し、平安時代初期の835年から天皇陛下と国家の安寧を願って、京都御所の中の真言院の建物の中で行われるようになったそうです。

まさに日本で最初のヤギャと言えます。

その祈祷はこれまで参加する15人の僧侶以外、誰も見ることが出来なかったわけですが、2018年にNHKに特別に後七日御修法の『習礼』(しゅれい)の撮影が許されることになり、これらの映像を見ることが出来ることとなりました。

この行事で興味深いことの一つが、これまで非公開であった理由です。 それはこの祈祷の中で、御宝算と言う天皇の生年月日とお名前が書かれたものが使われる為だそうです。

奈良時代の『長屋王の変』の呪詛にまつわる事件に想いを馳せるまでもなく、権謀術数の渦巻く宮中で、昔は名前と誕生日の情報で呪詛(呪い殺す)さえ行われたとか。

そう言えば、この現代の日本でも何かの申込み用紙に意味もなく生年月日の記入を求めてくる風潮が一部で見受けられますが、古来、誕生情報はそんなに簡単に取り扱うべきものではなかったことがわかります。

かようにインドからの祈祷の伝統は、中国を経て日本に伝わった次第ですが、世界が小さくなった今の時代、私たち庶民もそのようなヤギャの祈祷の恩恵を直接受けることが出来る良い時代になりました。

(本文中の写真は全てNHK番組『京都の大宇宙 東寺』より)

運命改善・災い回避!

ヤギャの様子

インドの古代占星術ジョーティッシュは、人を評価するものではなく、本人や周囲をより幸せにするツールです。 その鑑定からわかることは、人生は必ずしもいつも順風満帆というわけではなく、多かれ少なかれ誰の人生においてもチャレンジングな時期があるということ。 チャレンジとしては、病気、人間関係、夫婦関係、富や経済的な事柄が多くみられます。

そのような運命のチャレンジをいかに改善していくか。 その処方箋が提供されない”占い”は、レントゲンを撮って影が写っていますね、と言われるだけで、治療が提供されないようなものです。 それでは不安になるだけで終わってしまいます。

否定的なことがらに対して好転させる手段が用意されているのがジョーティッシュ、ということも出来ます。

ジョーティッシュ占星術が提供する運命を改善し、災いを回避する方法として、古代から具体的に6つの方法があります。

災いを回避する方法とは?

  1. 真言(マントラ)を唱えること
  2. 技法(タントラ)を行うこと。 印を結んだり、アーサナをしたりすること
  3. 護符(ヤントラ)を持つこと
  4. 薬草(アウシャダ)を取ること アーユルヴェーダの薬草です
  5. 宝石(ラトナ)を身につけること 指輪やペンダントにして肌に触れさせます
  6. 祈祷(ヤギャもしくはヤジュナ)をしてもらうこと

まず、1番目の真言を唱えるというのは、声に出して唱える意味ではなく、心の声として唱えることで、一般に静坐とか瞑想に当ります。 個人としての自我の枠を取り払うことによって、因果応報の世界から解放されようとする行いになります。

2つ目の”タントラ”は、私たちに馴染みのあるものでは”ヨーガ・アーサナ”などを実習することによって、心と体を宇宙に結びつけていく行いになります。

3つ目の護符(ヤントラ)を身につけるというのは、日本で神社で頂いたお守りをバッグにしのばせて持ち歩いたり、家の神棚にお札をおくようなことになります。 実際は、インドの僧院で祈祷してもらったものになりますが、こちらでは今取り扱っていません。

4番目の薬草を取るというと、アーユルヴェーダ医師から身体のバランスを取る観点から処方される薬のイメージですが、ここでは占星術の専門家が処方する運命に効く薬草になります。 これはその知識が占星術師にあるか、あったとしても森に分入ってその薬草を手に入れられるか、というハードルが高く、実際には現代では活用されていない現状です。

5番目の宝石を身につけるのは、馴染みのある方も多い手段かと思います。 ただし、一般の宝石店で販売してるものは、まず殆どが加熱してある石で、非加熱のものが大変、入手困難になっています。 必ず非加熱のもので、石が直接肌に触れる加工をしたものを指輪かペンダントにして、身につけます。 必要であれば、”ヤギャ一覧と料金”のページから宝石の処方もお申込みいただけます。 

そしていよいよ、6番目に真打のヤギャが登場します。 

ヤギャと言うのは、向こうから津波が押し寄せてくる時に、その逆の波動の波を岸のほうから送り出してやるようなことです。 それによって、波がある程度打ち消し合って、5メートルの高波だったものが、より低いものに抑えられる、といった感じになります。 大難を小難にするイメージです。

その少しでもチャレンジな状況を緩和してくれる源泉は、僧侶が発する古代から知られる大自然の調和の波動になります。 それによって、自分に押し寄せてくる波の高さを低くしてくれます。 日本でも鎌倉時代の2度の元寇の際に、多くの僧侶が一心不乱に祈祷を続けて、あの奇跡的な神風を2度に渡って呼び寄せた(諸説がありますが)とも言われています。

それでも、波が高く(キツい出来事)感じられるのは、本来はもっと高い波(もっとキツい出来事)だったと言えます。 ギリギリに思えても自分が対処できる範囲内の出来事で収まるよう、純粋な祈りの力に帰依します。

宇宙の出来事は全て『意図』することで起こってくるので、ヤギャは『宇宙と自分自身の調和を祈る』という意図を活性化する行いとも言えます。

4000年前のヴェーダと呼ばれる古代の儀典書の中で、その具体的な『祈りの所作と唱和』として代々技法が伝えられてきたものがヤギャになります。

ヤギャとはそもそも何か?

来ぬ危険を回避し、正しい道を歩む

まだ来ぬ危険を回避し、正しい道を歩むことで、今世に生まれた人生の目的に沿った生き方を実現するためのものです。
古代叙事詩の一つ『バガバッドギータ』の中でヤギャは、3つの観点から語られています。

1つに、正しい行動とは、見返りを求めない献身的な行いであり、ヤギャを行うこともそのような行為である。

2つ目は、人は願いを持つ生きものでもあり、それを叶える為の具体的な手段としてのヤギャです。 そこでは果物、お花、樟脳、ギー、ミルク、菓子などの捧げものが祭壇の護摩焚きの火(アグニ)に降りてくる大いなる”自然の神”に提供され、その余りがプラサードとして、ヤギャの参加者に下賜されます。

3点目は、すべての生き物は食べものから生まれ、養われていること。 そしてその食べものの源は慈雨として降り注ぐ”雨”であり、その雨がもたらせるのはヤギャを行うからだ、と言います。 ヤギャは森羅万象の源とも言えます。 ヤギャを行いたい、という深いレベルでの願望は、つまるところより良く生きたい、という願望そのものでもあります。

護摩炊き(ホーマ)と祈祷(プージャ)

ヤギャには火の中で捧げ物を焚いて行われるホーマ(護摩焚き)というものと、火にくべることをしないプージャ(祈祷)があります。 

仏教の儀式の中で護摩炊きというのがありますが、その『護摩』という言葉は、サンスクリット語のこの『ホーマ』に当てられた漢字です。

ヤギャの映像

ヤギャの一部を収録しました。ヤギャのイメージを掴んでいただけるかと思います。